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第1章・コラム1

1+2+3+...はいくら?(等差数列とその和)

\(1+2+3+\cdots+10+\cdots\)と毎回どんどん1ずつ増えた数を足すと合計はいくらになるだろう?

\[s=1+2+3+\cdots+10\]

とおく、すると足し算は入れ替えても値は変わらないので

\[s=10+9+8+\cdots+1\]

と書ける。上下の式を足すと、

\[2s=11+11+11+\cdots+11\]

11は10個あるので

\[2s=11\times10,\quad s=\frac{11\times10}{2}=55\]

以上から\(1+2+3+\cdots+10=55\)

ある天才は小学生のときにこの方法を使って1から100までの和を一瞬で計算したと言われています。カール・フリードリヒ・ガウス(Johann Carl Friedrich Gauß)です。彼は数学、物理学、天文学などに大きな功績を残しました。

このように沢山の項が足されたものを「級数」と呼びます。この級数は1ずつ増えているので「等差数列」と呼ばれます。

等差数列の一般的な級数の和は以下で示すことができます。

① 最初の数・増える数・足す個数を文字で表す

足される一つ一つの数を「項」と呼びます。

最初の項を「初項」と呼び、\(a\) で表します。隣の項との差を「公差」と呼び、\(d\) で表します。足す項の個数を「項数」と呼び、\(n\) で表します。

\(n\) は1、2、3、…の整数です。最初から数えて \(n\) 番目の数を \(a_n\) と書きます。右下の数字や文字は、何番目かを示す目印です。

最初の項から2番目までは1回、3番目までは2回、\(d\) を足します。\(n\) 番目までは \(n-1\) 回足すので、式(c1.5)で表せます。

\[a_1=a,\quad a_2=a+d,\quad a_3=a+2d,\quad a_n=a+(n-1)d\]

② 同じ和を逆順にも書く

最初の \(n\) 個の合計を \(S_n\) とします。1から10までで試した方法と同じように、順番を逆にした式を下に並べます。

\(S_n=\)\(S_n=\) \(a_1\)\(a_n\)\(a_1+a_n\)\(+\)\(+\)\(a_2\)\(a_{n-1}\)\(a_1+a_n\)\(+\)\(+\)\(\cdots\)\(\cdots\)\(+\)\(+\)\(a_{n-1}\)\(a_2\)\(a_1+a_n\)\(+\)\(+\)\(a_n\)\(a_1\)\(a_1+a_n\)

式(c1.6)では、上下で足す二つの項を縦長の丸で囲みました。丸から下向きの矢印で、その組の和を示しています。最初の組は \(a_1+a_n\) です。次の組は、上が \(d\) だけ増え、下が \(d\) だけ減るので、\(a_2+a_{n-1}=(a_1+d)+(a_n-d)=a_1+a_n\) となります。右から2番目の組や最後の組も、足す順番が替わるだけです。このように、どの丸の中も和は \(a_1+a_n\) になります。

③ 組の合計に個数を掛けて、2で割る

\(a_1+a_n\) となる組は \(n\) 個あります。左辺も上下を足して二つ分になるので、式(c1.7)になります。

\[S_n+S_n=n(a_1+a_n)\quad\Longrightarrow\quad 2S_n=n(a_1+a_n)\quad\Longrightarrow\quad S_n=\frac{n(a_1+a_n)}{2}\]

さらに、式(c1.5)の \(a_1=a\)、\(a_n=a+(n-1)d\) を代入すると、最初の数・公差・個数を使った式になります。

\[S_n=\frac{n\{a+[a+(n-1)d]\}}{2}=\frac{n\{2a+(n-1)d\}}{2}\]

これが式(c1.8)の等差数列の和の公式です。1から10までなら \(a=1\)、\(d=1\)、\(n=10\) を入れて、次のように確かめられます。

\[S_{10}=\frac{10\{2\times1+(10-1)\times1\}}2=\frac{10(2+9)}2=\frac{110}2=55\]

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