半分ずつ足すと?
半分、その半分、さらにその半分……。どこまでも足し続けると、いくつになるでしょう?
足した値を \(s\) とします。
\(n=1,2,3,\ldots\) の順に、\(\frac{1}{2^n}\) を足していきます。
一辺が1の正方形の面積は \(1\times1=1\) です。この中に、面積が \(\frac12,\frac14,\frac18,\ldots\) の長方形や正方形を入れてみましょう。
白い空欄の左半分、上半分を交互に塗ります。右下に残る空欄は、毎回半分になります。
どこまでも足すと?
白い空欄の面積は半分ずつ減り、限りなく0に近づきます。塗った面積の合計は限りなく1に近づきます。このように無限に足した和は、1です。
「再生」で順番に塗ります。「1枚足す」で、一つずつ確かめられます。アニメーションは12枚まで表示します。
式でも確かめよう:級数の和
数を順番に並べたものを数列、その数を順番に足したものを級数と呼びます。今回のように、次の数が前の数の一定倍になる数列は等比数列と呼びます。その倍率を公比といい、今回は \(\frac12\) です。
① まず、\(n\) 個まで足す
\(n\) を足す個数とし、最初の \(n\) 個の和を \(S_n\) と書きます。これを部分和と呼びます。例えば、3個までなら \(S_3=\frac12+\frac14+\frac18=\frac78\) です。
各項を2倍すると、一つ前の項と同じ大きさになります。そこで、和全体を2倍して並べます。
上の式から下の式を引くと、共通する項がすべて消えます。左辺は \(2S_n-S_n=S_n\)、右辺には最初の1と、最後の項を引く部分が残ります。
図で見ると、1が正方形全体の面積、\(\frac{1}{2^n}\) が右下の空欄の面積です。「全体 − 空欄」が、ここまでに足した面積になっています。
② どこまでも足す
\(n\) を大きくしていくと、\(\frac{1}{2^n}\) は限りなく0に近づき、部分和 \(S_n\) は限りなく1に近づきます。この近づく先の値を極限と呼び、部分和の極限を無限に足した級数の和とします。
記号 \(\lim_{n\to\infty}\) は「\(n\) を限りなく大きくしたときの極限」を表します。
③ 等比級数の和の公式
同じ方法を、最初の数が \(a\)、公比が \(r\) の場合にも使えます。最初の \(n\) 個の和を並べ、その和に \(r\) を掛けます。
今度は上から下を引きます。共通する項が消えるので、次のようになります。
\(-1<r<1\) なら、\(n\) を大きくすると \(r^n\) は0に近づきます。したがって、無限等比級数の和の公式が得られます。
今回の最初の数は \(a=\frac12\)、公比は \(r=\frac12\) です。公式に代入しても、図で確かめた答えと一致します。